なぜ世の中には、「水を飲んでも太ると感じる人」と「たくさんたべても全く太らない人」がいるのでしょうか?
健康的に痩せるダイエットを成功させる上で一番重要な要素を考えるとその答えが見えてきます。
太りやすい人と太りにくい人の違い
ダイエットに何度も失敗している人、何をしても痩せないと諦めている人はよくこういいます。
「私、水を飲んでも太る体質なんです…」
一生懸命努力して、食事制限や運動などたくさん我慢や努力をしても、自分が望むようなスタイルになれなかった場合、そう思いたい気持ちはわかります。
でも、ハッキリいいます。
解剖生理学的に人間の構造をみた場合、「水を飲んで太る」ことはありません。
カロリーのない水が脂肪細胞を増やしたり、脂肪細胞自体を大きくする要因にはなりませんし、人間には本来必要以上の水分は体外に汗や尿や汗として排出する機能を持っていますので、健康であれば水を飲んで(体内の貯留水分量が増えて一時的にむくむことも含め)体重が気になるほど増えることはありません。
ただ、確かにカロリーのない水を飲んだだけでも太ると感じるくらい太りやすい人と何を食べても体型が全く変わらない人もいるのは事実で、その要因には生活習慣、運動量、食事内容の差など様々なことが考えられますが、ひとつ確実な要素として挙げられるのは【代謝】機能の差です。
代謝とは
代謝とは、生命維持(生きるため)に必要な活動(心臓を動かして血液を全身に送る、呼吸をして体内に酸素を取り入れる、不要なものを体外へ尿や弁などで排出する、体温を維持するなど)を行うために必要なエネルギーのことで、1日の総消費エネルギーのうち、約70%が基礎代謝だけで消費されています。
基礎代謝で消費するエネルギーが低いということは、生き延びるために身体を省エネモードにしているような状態のため機能が制限され、直接命に関係ない部分(婦人科系や美容系)の問題(肌荒れ・整理不順・白髪・むくみ・抜け毛・爪割れなど)が先に目立つようになりますが、この状態を放置して行き着く先は「病気=内臓機能停止」や「死=心臓停止」です。
また、身体はできるだけエネルギーを消費せず溜め込もうとするようになっているため、少量しか食べなくても太りやすくなってしまいます。
一方、基礎代謝で消費できるエネルギーが大きければ、身体のあらゆる機能がしっかり働けるので、爪の先や髪の一本一本までつやつやですし、エネルギーを身体がどんどん身体を健康に美しくするために消費できるので、たくさん食べても太りにくくなります。
基礎代謝を理解すると正しいダイエット方法がわかる
健康的に痩せるダイエットを成功させるために一番重要なことは、基礎代謝を上げること、つまり、身体の機能が正常に働くように身体の環境を整えて、必要十分なエネルギーを摂取することです。
ダイエットとなると【我慢】を強いる食事制限を一生懸命行おうとしますが、これはダイエットには逆効果で、ほとんどの場合は過食を引き起こしたり、基礎代謝を下げてダイエット前より太るだけでなく、美しさや健康も失ってしまいます。
代謝機能と食欲は密接に結びついていて、代謝が正常だと必要以上に食べないように脳の満腹中枢が正常に働いてストップをかけてくれるので、異常食欲は起こらず、我慢も必要なく、食べすぎて太るということがありません。
一方、ダイエットによる食事制限で低栄養状態が続いたり、基礎代謝が下がった状態だと脳が正常な判断ができないので、異常食欲(過食)が起こります。
食べないダイエットは、基礎代謝を下げ太りやすい身体を作るだけです。
また、太る(実際は浮腫む)からと水分を控える人もいますが、むくみも基礎代謝の低下が原因です。
基礎代謝が低い状態で必要な水分をしっかりとならない場合は、身体が余計に水分を溜め込もうとするので、ますます身体に老廃物と共に本来排出すべき水分まで残ってしまい、不健康なむくみが悪化します。
基礎代謝の測定法
自分の基礎代謝を確認したい場合は、夜寝る前と朝起きた時の排尿後の体重を比較してみてください。
夜と比較して朝に、男性では平均1kg、女性では平均500g程度減っていればあなたの基礎代謝は正常です。
夜眠っている間は身体はエネルギーを消費しないと考えている人も多いですが、実際基礎代謝活動は起きている場合と全く同じように、一部は起きている時以上に働いて、身体の掃除や新しい細胞の生成を行っていますので、ちゃんと不要なものを体外に排出して身体を整える力(基礎代謝機能)が正常に働いているかどうかを知るひとつの目安になります。
上記意外にも基礎代謝を計測する指標として、年齢・身長・体重など様々なデータと標準値を比較して割り出すもの(ジムやエステなどにある体脂肪計や体組成計測器など)もありますが、身体の状態や生活には個人差があるので、どの指標も参考程度に活用しましょう。
基礎代謝を上げるためのポイント
人間の体は、体温が1℃上がると基礎代謝は13%-15%上がると言われていて、外気温が下がる冬は体の平熱を維持するためによる多くの熱を生産する必要があるため、夏よりも基礎代謝が上がります。
また、基礎代謝は3歳で最高値に達しそれ以降は減少し続けていき、男女差は12歳前後で男性の方が5%ほど高く、成人以降は男性の方が10%ほど高い傾向があります。
基礎代謝のエネルギー消費の内訳は以下のようになっています。
基礎代謝を上げる上で重要になるのは、肝臓や腎臓などの毒素を排出する身体の機能、全身に司令を届ける脳、全身に血液や栄養、酸素を届ける心臓が正常に働ける環境を作ること、つまり姿勢や生活習慣が重要です。
また、加齢により基礎代謝が減少する原因として大きいのが運動・日常生活・姿勢保持に使う筋肉なので、姿勢を正しく維持することで骨格筋のエネルギー消費を高め、姿勢を整えることで内臓を正しい位置に戻して内臓の筋肉も安心して働くことができるようにしましょう。
基礎代謝量が大幅に上がり、健康でスリムなスタイルを維持できるようになります。